時間薬は存在する?

「時間が解決する」は本当なのか?

昔、つらいことがあった時に、「時間が経てば大丈夫だよ」と言われたことがある。

でもその時の私は、その言葉を全然信じられなかった。

朝起きても苦しいし、何をしていても頭から離れない。

「こんな痛み、本当に薄れる日なんて来るの?」と思っていた。

傷ついた直後って、感情がまだ“今この瞬間”のものだから、脳も心も強く反応してしまう。

だから、少し思い出しただけでも胸が苦しくなるし、涙が出る。

時間薬の正体

でも、人の心って不思議で、時間が経つと少しずつ“新しい記憶”が増えていく。

最初は悲しみで埋まっていた毎日にも、別の景色や会話や出来事が入ってくる。

美味しかったご飯、たまたま笑えた瞬間、誰かの優しさ、何気ない日常。

そうやって新しい感情が積み重なることで、脳の中で“痛みだけが全て”だった状態が少しずつ変わっていく。

たぶん、時間薬の原理って、“忘れる”ことじゃなく、“痛み以外の感情が増えていくこと”なんだと思う。

傷が消えるわけじゃない

もちろん、完全に忘れるわけじゃない。

ふとした瞬間に思い出して、苦しくなる日もある。

でも、前みたいに24時間その痛みだけに支配されることは、少しずつ減っていく。

時間は魔法じゃない。

でも、心が呼吸できる隙間を少しずつ作ってくれるものなんだと思う。

焦らなくていい

だから今つらい人も、「早く元気にならなきゃ」と無理をしなくていい。

ちゃんと前を向けなくても、今日を生きているだけで十分。

その積み重ねの中で、気づかないうちに心は少しずつ回復していくのかもしれない。

そしてきっと時が経ち、気が付くの。

「ああ、私、いつの間にか乗り切ったんだ…」って。